2018-05-12

神﨑智子 個展「Pieces」のこと

こんにちはーGWも過ぎ去り、爽やかな風が吹く近頃。皆さまいかがおすごしですか

大阪天満宮参道のギャラリー、ショップのサロンモザイクで開催中なのは
神﨑智子 個展「Pieces 」
謄写版(ガリ版)を用いた版画作品を発表する作家さんで、大阪出身、京都精華大でゴリゴリの版画を学び、現在は東京在住のカンザキ氏。
最初はボスに紹介頂き、器の作品を拝見してもっと見たいな〜と思いつつもなかなかチャンスがなく、見たすぎて展示をお願いしたのであります
大阪での展示は5年ぶり。

ガリ版とは。
一定の年齢以上の方は懐かしいーと仰います。まだコピー機がない時代の簡易印刷で、学校のプリントとか、学級新聞的なものなどはガリ版で作られていました。
活版と違い、手書きで書いたものが版になる上、印刷の時に反転しない孔版ため(活版は文字の数だけ版が必要で設備が膨大)特に文字の種類が多い日本や中国では少部数刷る場合一般的な印刷だったようです。
その後輪転機やコピー機が普及するに従い衰退してしまった技術。
やすりの上の原紙を鉄筆でガリガリと削るように版を作るので、ガリ版という名前がついてるとのこと

印刷は文化の普及に欠かせない要素でして、いろんな小説などにも良く出てくるから名前だけは知ってる方も多いんじゃあないかなー。カンザキ氏は謄写版そのものの普及にも尽力している大先生です

ガリ版をやったことある世代の方は、カンザキさんの作品を見てだいたいびっくりします
カラフルだったり、面の表現があったり
版の重なりが豊かだからです
わたくしは詳しくないからかもですが、一体どないなっとんねん!何版重ねてるんや!と首をひねる超絶技巧。インクが紙に落ちたシルクスクリーンのようなテクスチャーもありつつ、銅版画のような金属質の表現もありつつ…版画は作品そのもののほかに技術という要素があるから、みるときに奥行きがあって楽しいのです

特性上あまり大きな版を作ることができないガリ版を逆手にとって、一枚の作品の中でいろんな版を配置して「庭」的に作るのがカンザキ氏の腕の見せ所。
今回は小さめ作品を多数展示していますが、それでも散文的な版画作品となってまして、渋いモチーフも相まって大変ポエジー
シートでの展示なので、紙の質感や細部まで見るほど噛むほど味がある展覧会になったぜ
過去作から最新作まで、小品をモザイクピースのように散りばめた展示です
繊細で、snsでは伝わりにくいなあと思います

偶然の同時期開催ですが、和歌山県立近代美術館の企画展「産業と美術のあいだで」でカンザキ作品が出品されているとのこと。6/24までなのでこちらもぜひ

http://www.momaw.jp

明日明後日の5/12.13はカンザキ氏がモザイクにおいでです。フロムトーキョーですー
版画愛好家のみならず、たくさんの方にご覧頂きたい!是非是非よろしくお願いします!

 

 

 

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